ロクスブルギーの棺

『ロクスブルギーの棺』
吸血鬼と人間による(広義の)BL創作小説および派生作品群。
なお、受攻についてはいわゆる同軸リバですので、
苦手な方はご注意ください。


作中には残酷表現や性的表現、
倫理的・道徳的に適切でない内容が含まれることがあります。
あくまで作品としての表現であり、
そうした思想・言動を推奨・助長させる意図はございません。
この物語はフィクションです。現実から離れてお楽しみください。

※18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
(ブックマークに入れて18歳になったら読んでください)


Main story

— 本編。時系列で順に展開されていきます。世界観に触れる要素多めでCP要素は薄めです。

『ロクスブルギーの棺』

かつてその中には『吸血鬼』がいた――
シリーズ第一章。曰くつきの骨董品、『ロクスブルギーの棺』
と、吸血鬼を追う男の話。

  • 1.棺

     かつてその中には吸血鬼がいた―― 骨董屋に並ぶその美しい――と表現するのが適当かはさておいて――棺には、そのような曰くがあった。 『吸血鬼ドラクル』は、『夜鬼ナイトゴーント』と総称される、化け物の一種である。最大の特徴は、人間の血を糧とす…

  • 2.かつてその中には

     ――『ロクスブルギーの棺』は、それなりの期間、家に保管されていた。母が死んでからというもの、父は奇妙な宝物などを集めて仲間うちで自慢し合うのが趣味だったので、その棺もそういった理由で手に入れたものらしかった。しかし、その棺は宝物を飾る部屋…

  • 3.隠者の告白

     その老人は、人目を憚りながら生活をしていた。代々築いてきた名声は朽ち果て、資産であった骨董や宝飾も、多くを手放すこととなってしまった。片田舎の小さな小屋で、残っている僅かな宝物を手慰みのように愛でながら、時折骨董仲間との文通や取引をして過…

  • 4.その瞼が開くとき

     その中に本当に吸血鬼がいると知ってからは、度々真夜中にその部屋を訪れて、棺に語りかけていた。寂しかったからだ。子供っぽいと言われればそれまでだが、子供だったのだから仕方ない。どれだけ声をかけても返事が返ってくることはなかったが、何も変わら…

  • 5.茨の君

    「……甘い」 薄く熱の無い唇が、そう呟いた。血の様に赤い瞳が、ゆっくりと揺れる。吸血鬼――ロクスブルギーは周囲の様子を確認して、その棺から半身を起こす。本当に、起きた。こんな時でなければ、どれほど嬉しかったことだろう。零れてくる涙が、感極ま…

  • 6.去りし夜

     ――ゆったりとした揺れで、目を覚ます。温度の無い背に負われて運ばれているようだった。それを認識したのとほぼ同時に、ロクスブルギーが肩越しに少し振り向いた。「起きたかい。じきに人の住んでるあたりに出るだろうから、もう少し我慢してくれ」「ん……

  • 7.手紙

     ――懐かしい、夢を見た。あれから二十年ほども経っているのに、未だにあの日のことを、これほど鮮明に思い出せることが、少々気持ち悪いと思って苦笑いが浮かんだ。どれほど未練がましく思えばこうなるのか。男は起き上がって、鏡に自分の姿を映す。軽く首…

  • 8.その心に報いを

     その館は、人里離れた森の中にぽつんと建っていた。その持ち主は、とうに亡くなっている。街から離れているとなると、行き来する間に夜鬼に遭遇する危険が高くなる――そういった理由で、持ち主の子孫は相続したがらず、館は売りに出されることになった。そ…

  • 9.後日談

     吸血鬼――ほとんど永遠の命を持ち、老いることの無い美しい肉体を持ち、血を糧に生きる化け物。人間と同様に知性を持って言葉を操り、化け物の力で命を蹂躙する、夜の住人。「――知っていると思うけれど、日光だけは部屋に入らないようにしたい」「はいは…

『人狼の噂』

君が次の『狩人』だ――
シリーズ第二章。長閑な村を脅かす凶悪な事件に、
人間と吸血鬼が立ち向かう。さて、汝は人狼なりや?

  • 1.銃を取る理由

    「『人狼ライカン』、ですか」「あくまで噂、だがね」 糸目の男――上司にあたる人物だ――は、ぱんとひとつ手を叩き、目は少しも笑っていないまま、愉快そうに告げた。「おめでとうカウフマン。君が次の『狩人』だ」 そうして、机の上に鈍い銀色の四角い小…


『シャグラン・ダムール』

恋の煩い、愛の苦しみ――
シリーズ間章。何の運命のいたずらか、ある舞台の
チケットをきっかけに過去の因縁が動きはじめる

  • 1.月下のソリスト

     乾杯、という声とともに、ガラスの触れ合う音が慎ましやかに響く。雲ひとつない晴れ渡った夜空の下、広々としたバルコニーに設けられた一席で、紳士と淑女は向かい合って微笑みを交わし、葡萄酒のグラスを傾けた。一口を口に含んで一拍置いたのち、紳士はう…


Short story

— いわゆる番外編、あるいは日常回。時系列はバラバラ。
 大体の話は本編『ロクスブルギーの棺』読了後推奨。
 CP要素強め。R-18は直接的な性描写あり。受攻は都度変わります(重要)。



Other story

–世界観などの全く異なったパロディ設定のもの。吸血鬼の設定は変更なし。
 年齢が違ったり性別が違ったりしているが非公式CPが生まれたりはしない(重要)
 細かいことを気にしないで読んで頂きたい。

  • 彼女の住処

    ( 現代パロディ / モデルのロクスブルギー♀と大学生のルー )
    『吸血鬼』の生活には何かと不便が付きまとう。 その手助けのために、彼は彼女の住処を訪れたが……。